最終日を無事に終え、
目的としていた録画も、きちんと残すことができました。
悩み、考え、試行錯誤した数日間が終わり、
正直なところ、真っ先に感じたのは大きな安堵感でした。
「目的を達成できた」
その事実だけで、十分だったはずです。
ですが、不思議なことに、
すべてが終わった後も、
わたしはあの仕組みのことを考えていました。
役目は、もう果たしています。
使い続ける必要もありません。
本来なら、ここで終わりにしてもよかったはずです。
それでも、
あの数日間で作った仕組みや判断を、
このまま終わりにしたくない。
そんな風に考えていました。
推しの様子を記録として残すために作ったはずのプログラムが、
いつの間にか、自分にとって「学びの対象」になっていたのです。
第6回では、
この仕組みを作り捨てにせず、
「学び」として育てていくことに決めた日のことを振り返ります。
※この記事は連載6回目です。
連載の背景については、こちら。
第0回:趣味から始まる学び | 推し活をきっかけに、自動収録の仕組みを作ることにした話
過去の連載記事はこちら。
第1回:限られた時間でカタチにする。前日の夜、初級者なりに仕組みを作った一日
第2回:想定外の出来事。ルームが増え、今できることを考えた夜の話
第3回:完璧を目指さない|人の手を残した仕組みと、想定外を乗り越えた話
第4回:トラブルの夜に学んだこと | 進化より撤退。安定を最優先にした判断
第5回:安心できる仕組みへ | 外出先から仕組みを見守る方法を考えた話
目的は果たした。でも、終わりにしたくなかった
今回の仕組みは元々、
とても限定的な目的のために作ったものでした。
私が不在の間に配信される3日間のライブ配信を、
・配信を見逃さない
・不在でも録画できる
・後から振り返られるように記録に残す
その目的は、確かに果たしています。
ですが、
「じゃあ、もう必要ないか?」と考えたとき、
どうしても、そうは思えませんでした。
そこには、
・どこで迷ったか
・どんな判断をしたか
・何を捨て、何を残したか
そういった思考の痕跡、
苦労しながらも成し遂げた経験が、
仕組みの中に詰まっていたからです。
この数日間は、
ただプログラムを作っていたのではなく、
考え続けていた時間だったのだと、
終わってから気づきました。
作り捨てではなく、「育てる仕組み」にしたいと思った理由
もし、このまま放置してしまえば、
この仕組みはもう使うことはないでしょう。
過去の遺産になってしまいます。
コードも、設定も、
その時の判断も、
すべてが「その場限り」になってしまう。
それは、少しもったいないと感じました。
完璧ではない。
洗練もされていない。
でも、
自分で考えた
自分で決めた
自分で乗り越えた
そのプロセスは、
これから何かを学んでいく上で、
確かな土台になるはずです。
だからこそ、
この仕組みを使い捨てるのではなく、
「育てていく対象」にしたいと思いました。
学びとして残すなら、形が必要だった
ただし、
「学びとして残す」と言っても、
スクリプトがフォルダに眠っているだけでは、
いずれ触らなくなってしまいます。
今の仕組みは、設定をスクリプト内で直接書きかえて使っています。
プログラムの実行も、プロンプト上でコマンド入力して実行しています。
実行方法は属人的。
設定も分かりにくい。
触るたびに思い出す必要がある。
それでは、
学びとしては続きません。
もっと、
触りやすく、
使いやすく、
新しい工夫を試しやすい。
そしてなによりも、自分が興味を持って取り組みやすい。
そんな形にする必要がありました。
そこで自然と浮かんだのが、
「アプリ化」という発想でした。
アプリ開発への興味と、現実的な選択
実は以前から、
アプリ開発には興味がありました。
iPhoneアプリを作ってみたい。
自分で作ったものを、
自分で操作してみたい。
ただ、
現実的な制約もあります。
・開発環境
・学習コスト
・今の自分のスキル
何から始めて、何を勉強すればよいのか?
初心者の私が思いつきでできるようなものなのか?
ですが、そのほとんどの不安が、
実はすでにクリアになっていました。
改善を繰り返しながら一つ一つカタチにしていけばいい。
いきなり理想を目指さなくてもいい。
それは、
この連載で何度も経験してきたことでした。
だから今回も、
「完璧を目指さない」
という判断を優先しました。
Webアプリという「妥協」と「挑戦」
選んだのは、
ネイティブアプリではなく、Webアプリです。
正直に言えば、
これは妥協でもあります。
でも同時に、
今の自分にとっては、
一番現実的な挑戦でもありました。
・開発環境に囚われなくていい
・どの端末からでも触れる
・少しずつ作り替えられる
・後から方向転換できる
iPhoneアプリを作ろうと思うと、Macが必要になるなど、開発環境の制約が発生します。
すると、そこで学びが止まってしまう。
今必要なことは、
完璧でなくても、続けられること。
ここでも、
これまでと同じ判断基準を選んでいました。
Flaskを選んだ理由
Webアプリを作るにあたって、
選んだフレームワークが Flask でした。
理由は、とてもシンプルです。
・これまで使ってきた Python をそのまま活かせる
・比較的分かりやすく、基礎を学ぶのに適している
高度な機能や、
最先端の選択ではありません。
でも、
「今の自分が理解しながら進められる」
それが一番大切でした。
ここでも、
技術的な正解より、
続けられる選択を優先しています。
趣味だったものが、学びになった瞬間
振り返ってみると、
この変化は、突然起きたものではありません。
完全自動化を諦めたこと
人の手を残したこと
進化より撤退を選んだこと
見守る仕組みを作ったこと
その一つひとつが、
自分で考え、学ぶことに繋がっていました。
ただ趣味のために始めたプログラム作りが、
学びの題材になっていたのです。
まとめ
この仕組みは、
もともと趣味から生まれました。
ですが今は、
自分にとって確かな学びの入り口になっています。
作って終わりにしなかったからこそ、
学びに変わった。
完璧でなくていい。
遠回りでもいい。
考えながら、
失敗を繰り返しながら、
少しずつ前に進めばいい。
次回からは、
この仕組みをWebアプリとして作りこむ中で、
実際にぶつかった壁や、
考えた過程をお話ししていきます。


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